筋トレのやり過ぎはむしろ健康リスクを高めるという結果に
木元貴章です!
以下の論文を紹介します!
筋トレの弊害
筋トレにより筋肉がつくことはよく知られているが、筋トレの実施は疾病の予防や死亡リスクの減少につながっているのか、さらにリスク減少のためにどのくらいの筋トレを実施すればよいかについてはよく分かっていなかった。
そこで研究グループは、18歳以上の成人を対象に筋トレと疾病および死亡との関連を長期的に検討した研究1,252件について、より客観性・再現性が高いとれるシステマティックレビューを実施した。その後、すべての論文を精査し、信頼でき、かつ、分析可能な研究16件を抽出した。
これらの研究結果をもとに結果を統合するメタ解析を実施し、筋トレ実施の有無および実施時間と疾病および死亡リスクの関連を検討した。
分析対象となった疾患は、心血管疾患(9件)、がん(7件)、糖尿病(5件)、部位別のがん(肺がん、膵臓がん、結腸がん、膀胱がん、腎臓がん、それぞれ2件)、さらに、死因を問わない死亡(総死亡、8件)だった。
解析した結果、筋トレを実施している群では、まったく実施していない群似比べ、総死亡および心血管疾患、がん、糖尿病のリスクが、ウォーキングなどの有酸素運動の影響を考慮しても、10~17%低いことが明らかになった。
さらに、筋トレの実施時間の影響を調べたところ、週30~60分を実施することで、総死亡、心血管疾患、がんでは10~20%減少し、もっともリスクが低くなった。
糖尿病についても、筋トレの実施時間が長ければ長いほど、リスクが低くなるという結果となった。
一方、週130~140分を超えると、筋トレの好ましい影響は消失し、むしろリスクが高くなることが分かった。
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