高齢化が進む中で近年問題視され始めたのが、骨や筋肉、関節などの運動器の障害により介護リスクを高める「ロコモティブシンドローム」※1と、加齢により筋肉の量や筋力が減少する「サルコペニア」※2。これは高齢者だけの問題ではなく、運動不足になっている現代人への警鐘ともいえます。
確かに日常のどんな動作でも筋肉は使っています。けれども、意識して動かすことはあまりありません。まずは筋肉のことを正しく理解するところから始めましょう。
私たちの体をつくっている筋肉には「骨格筋」、「心筋」、「平滑(へいかつ)筋」の3種類があります。骨格筋は体を動かすのに必要な筋肉で、足や腕の筋肉などがこれ。運動などで鍛えて増やせる唯一の筋肉です。自分の意思で動かせる筋肉なので「随意(ずいい)筋」と呼ばれます。一般に「筋肉」というと、この骨格筋のことです。
心筋はその名の通り、心臓の筋肉のこと。そして平滑筋は、胃や腸などの心臓以外の内臓の壁にある筋肉です。心筋と平滑筋は鍛えることができません。また、自分の意思では動かせないために、「不随意筋」と呼ばれています。