ぜひ取り組んでほしいストレッチ例
肩こりは、肩や首まわりの筋肉疲労や血行不良で起こります。長時間の同じ姿勢や疲れやストレスなどによって肩の筋肉が萎縮すると、筋肉にある血管が圧迫されて、血行不良を起こします。すると、血液の中に疲労物質や老廃物が少しずつ蓄積して、肩こりを引き起こすのです。反対に、血の巡りをよくすれば肩こりの解消につながるわけです。
マッサージを施すことで、首や肩、肩甲骨付近の血行が促され、筋肉の緊張がほぐれて肩こりが緩和されます。また、マッサージ療法は、肩こりが痛みの症状に進行した場合の対処法としても有効です。からだには痛みを伝達する経路があると考えられていますが、触覚の刺激がこの伝達路に作用して痛みを伝達しづらくする効果も期待できるでしょう。さらに、マッサージでトリガーポイント(強い痛みを発する点)を刺激して、痛みを和らげる方法もあります。
温熱療法では、患部に熱を加えて局所の血行を促進し、筋肉の緊張を緩めて、コリや痛みを和らげます。温めることで、精神的なリラックス効果も期待できるでしょう。ストレス解消にもつながります。
反対に、コリのある部分を冷やして治療するのが寒冷療法です。寒冷療法では、患部の血管を収縮させて炎症を抑制し、痛みの伝達経路をブロックして、コリや痛みを緩和します。冷却を止めると、滞っていた血流が促進されて老廃物が洗い流されるため、組織の修復と回復を促すことができます。
首は、からだの中で重要な場所であると同時に、デリケートなところでもあります。肩こりの症状の陰には、首の不調が隠れているケースが少なくありません。特に日本人は欧米人と比べて骨格がきゃしゃなため、首の不調が多いとされています。
首の骨(頚椎、けいつい)を形成するのは、7個の骨です。その骨と骨の間には椎間板(ついかんばん)と呼ばれるクッションのような役割を果たす軟骨が存在し、椎間関節を作っています。首を自由に動かせるのは、この椎間板と椎間関節の働きがあるからです。また、首は、脊髄の通り道でもあり、全身の機能に関係しています。
しかし、椎間板と椎間関節は消耗しやすいのが弱点で、早くて20代から変性が始まるといわれています。この椎間板や椎間関節がすり減ったり、変形したりすると、全身にさまざまな問題を引き起こします。そのひとつが肩こりです。
木元貴章 (ワクチン接種4回済)
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